INTERVIEW
BEST
DIRECTOR
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関和亮
関和亮
――「アルクアラウンド」を担当したきっかけは?
あんまり自分から声をかけることはないんですけど、サカナクションに関してはこちらからラブコールを送ったんです。たまたま機会があってライブを観たらすごくカッコよかったから、ぜひ一緒に仕事したいって言ってたら、ちょうどサカナクションも監督を探してるタイミングだったそうで。
――ライブを観てMVのイメージが湧いたんですか?
そうかもしれないですね。具体的にビビッときたわけじゃないけど、この人とは相性が良さそうだって思いました。
――実際に相性が良かった結果、BEST DIRECTORを受賞されたわけで。
ホントにBEST DIRECTORなんですか? 自分には縁がないと思ってたから、いまだに全然信じてないです(笑)。
――何が評価されて受賞したんだと思います?
今年1年に自分が作ったものを見てると、CGや最新技術を駆使したものじゃなく、手作り感覚でアイデア勝負の映像が多いんですよね。予算がなかったのもあるんですけど、ほかの力に頼らないでがんばったのが評価されたのかな(笑)。
――毎回斬新なアイデアを出すのはすごいことだと思います。
「アルクアラウンド」でやった「特定の場所から見ると何かが見える」ってのは昔からやってみたいと思ってたんですけど、どこに歌詞を出すとか、水槽やおもちゃを使うとか、そういうのは打ち合わせでバンド側から出たアイデアなんです。実際はもっといろいろ盛り込んでたんですけど、撮り始めてみたら全然できなくて、諦めてバッサリ削ったんですよ。
――編集せずに長回しで撮っているから、NGが出たらまた最初からですもんね。すごく大変だっただろうなと思いました。
それが視聴者に伝わっちゃったのはMVとしてはあんまり良くなかったかな(笑)。でも、結構そういうの好きなんです。
――POP VIDEOにノミネートされたPerfumeの「VOICE」もNGが多そうなMVですよね。
壁に空けた穴を3人が抜けていくシーンがあるんですけど、ワンカット撮るだけで3時間ぐらいかかっちゃって。ポーズを決めるのが得意そうなPerfumeでもあれだけ苦労したんだから、普通のアーティストなら無理だったかもしれないですね。でも3人からも「1個1個チャレンジしてクリアしていくようなビデオにしたい」って意見があったので、現場の雰囲気はすごく和気あいあいとしてました。
――Perfumeは初期のMVこそフルCGでしたが、最近はCGを極力排除した方法を探しているように思えます。
CGがやりたかったのは気分的なもの(笑)。アーティスト側が「今こういうジャンルが流行ってるからやってみよう」という感じに近いかもしれないですけど、確かにCGを減らすことはちょっと意識してますね。企画段階ではCGナシで考えて、仕方ないからここは合成しようとか、背景をちょっと足そうみたいな使い方です。最初からCGありきだとアイデアに限界があるんで。
――そうなんですか? むしろCGを使えばなんでもできそうな気がするんですが。
できるんだけど、やっぱり時間とお金がかかるから(笑)。あと僕は、もともと映画やドラマから仕事を始めてることもあって実写が好きなんです。逆にCGやモーショングラフィックは、憧れてたけどやってみたらあまり上手じゃなかったんで、僕には向いてないなと(笑)。
――自分で映画やドラマを撮ることに興味はありますか?
もちろんやりたいです。だから、つるの剛士さんのMVを作ったときは、日光江戸村でちょっとドラマっぽく撮れてすごく楽しかったです。つるのさんはお芝居ができますからね。芝居が上手なアーティストもいますし、本当はPerfumeでそういうことやりたいんです。まだ機会がないんですが。
――ほかにも撮影に苦労したMVはありますか?
regaの「Mr.MARLOWE」は大変でしたね。小さなプロジェクターを4台並べて、演奏してるメンバーの映像を白い石膏に映したんですけど、地味な作業なのに撮影に3日もかかっちゃって。
――これもCGではないからこその味わいがありますよね。
同期してるように見えますけど、映像はiPhoneで流してるんで、タイミングが合わない合わない(笑)。
――映画に興味があるとのことですが、それ以外に今後やりたいことはありますか?
MVってまず音楽があって、そこに映像を付けてみんなに見てもらうものですけど、これからは新しい形がいっぱい出てくると思うんです。ただテレビで流れるだけじゃなくて、違うところで展開したり、観るたびに毎回違うものが映るとか。インタラクティブというか、一方向の楽しみで終わらないようなMVが作れたら、音楽の活性化にもつながって面白いんじゃないかと思います。
――作品からも感じていましたが、監督はどちらかというと美しい映像を作ることに注力するタイプではなく、メディアアート的な考え方をしているように思います。
そうですね。メディアアートは大好きで、以前グループ展をやったときにそれっぽいものを展示したことがあります。美しい映像を撮る人はいっぱいいますから、それはその人たちに任せて、俺はそういう人ができないようなことを探してる“隙間産業クリエイター”なんですよ(笑)。1990年代の後半からこの仕事をしてるんですけど、90年代後半から2000年代頭ってMVのバブルだったんです。当時はアシスタントとして現場で見てたんですけど、MVは映像の最先端を走ってたから、今と違ってそれは華やかな世界で。僕はそういうのを見てきた最後の世代だから、あの時代のMVとはちょっと違うものを作ろうっていう意識はある。同じことをやってもお金と時間の差で勝てないし、音楽自体もどんどん進む方向が変わってきてるとも思うので、それに合わせて自分たちも変わりながら、一緒に何かできないかなと考えてるんです。
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